※こちらの作品は、純銀線(silver1000)を使用しております。
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海の泡
純銀線を使用して、小さな海の泡を閉じ込めたペンダント。
アーティスティックワイヤーとは、光沢や質感が全然違う、美しいキラキラ輝く純銀線を使用して。
小さな海の一雫のような、カイヤナイトのカボションを巻いてゆきました。
すると、どんどん、羽のような装飾がついてゆきまして。w
しかし、これ、作り方は羽のような装飾ではあるんですが、純銀線独特の柔らかさから、海の底から浮かび上がってくる、沢山の小さな海の泡を集めたような気がしました。
泡というのは、水の中に空気や、気体がそこに入っているからそういう形として見えるだけで。
水槽の中などで、泡の形として見えても、シャボン玉のように手では掴めないもの。取り出せないものなんですよね。
海の上まで上がってきて、泡が弾けた途端に、閉じ込められていた空気が、混ざり合って消える。
人魚姫の最後でも、ラストは海の泡となって消えてしまうという悲しい終わり方なんですが......。
ちょっとwikiで調べてみると、人魚姫は海の泡となり、空気の精になって天へ登ってゆくという風な解説が書いてたんですよ。
あれ?そうだっけ?w
私が子供の頃読んだ話の記憶だと、もう色々と細かい所はうろ覚えで。笑
私は、人魚姫は海の泡になった後に、消えてしまって。
それで終わりなんだとばかり思っていたので。
子供の頃はなんとも、納得いかない、とても悲しい気持ちで読み終わってモヤモヤしていたんですが。ww
その解説を読んで、やっと今頃ですけども。
なんだかちょっと救われた気持ちになりました。w
ああ、やっぱり、人魚姫は海の泡になっても、存在そのものが消えてしまった訳じゃなかったんだ。
例え、周りからは見えなくなってしまっても、泡になったその後があったんだなぁーと。
この作品を作った後に、調べて初めて気がついた訳ですが。笑
実はこの作品の海の泡も、見ていると悲しげなものとか、人魚姫が最後に海に身を投げ、泡となった儚さとかを表してるペンダントじゃ無いんですよ。
海の雫のようなカイヤナイトが、
羽の形をしている泡に引っ張られ。
まるで、希望の象徴のように。
上を向いてゆけるように。
空を見つめ、指し示すように。
小さいながらも、美しく輝いているものに思えたんですよ。
人魚姫が最後、身を投げ海の泡となり。
海面へ出る瞬間。
故郷である、海との決別をして、泡となり。
やがて、その泡が弾けて空気の精となり。
空を羽ばたこうとする、その瞬間を表してるのかなぁと思いました。
今まで住んでいた、海中の世界とも。
そして、愛する人、恋い焦がれていた人が住む地上とも違う世界を選んだ、人魚姫。
選ばざるを得なかった選択肢は、どちらも非情で。
自分が海の泡となるか。
王子を殺して、人魚に戻るのか。
そのたった二択しかない中で。
泡になることを選択する。
これって、どちらの選択肢もめっちゃ怖い事じゃないですか。
元いた世界には、簡単には戻れず。
憧れていた世界には、入る事もできず。
もうひとつの、未知なる新しい世界へと、踏み入れざるを得ない。
それが、楽しい場所ならば良いのかもしれませんが。
もうほぼ、強制的な道のりですし。(^^;;
そんなのめちゃめちゃ怖いと思うんですよね。
だけど。
その後に、空気の精になるという解説を読んだ時に。
なるほど、人魚姫はあんなに悲しい想いをして、全く報われるコトもなく。
最後は泡になってしまっても。
それで完全に消えてしまうとか、存在が無くなってしまった訳じゃなくて。
ただ、形が変わり。姿が変わり。
例え見えなくなったとしても。
空気の精として、空へ羽ばたき、天へ登っていったのだと。
肉眼では見えないし、触る事もできないけれど。空気がちゃんと、そこに在るのを知ってるみたいなもんで。
全てが、無くなった訳じゃない。
全部が、無駄だった訳じゃない。
そういう視点で言えば、海の泡になるというのは、がんじからめになって、縛られていた様々なものから、解放された姿や、瞬間でもあるのかなぁと思いました。
とても小さめのペンダントですが。
故郷の海の思い出のような、、一雫のカイヤナイトと。
アパタイトとタンザナイトの海の面影を、ほんの少しだけ残しながら。
ぶわわわっと、沢山の細かくて美しい海の泡が、海中から空へと登るようにどんどん、生まれて弾けてゆきます。
海から離れ、空へと羽ばたいてゆこうと、翼の形になり。
前を向き、上を向いてゆく事を決めたような。
そんな希望が、見え隠れしてる。
これは深い深い、光の届かぬ海底へ沈んでゆくような、苦しみや重みのあるものではなく。
海の泡ってのは、水よりも軽いので必ず、上へと登ってゆけるじゃないですか。
だから、まるで、重りのついたような暗く沈みやすい心でさえも、この泡がほんの少しだけ、ふわっと軽くして。
一緒に、浮かんで上昇させてくれるような気がしました。
小さな、小さな、人魚姫の海の泡。
このペンダントの時点では、まだ海の泡という段階ですので。
空気の精となるのは、海面に出た後だとすると、この段階ではまだ、海から浮き上がろうとしている時だと思うんですよね。
それがなんだか、絶望の果てや、悲しみの果てに残った、小さな希望の光のようなものにも思えて。
沈みかけた心を。
再び、浮き上がらせてくれるもの。
海よりもさらに、広い世界へと。
羽ばたいてゆく為に。
泡が羽の形を作るだなんて。
そんなことはあり得ないかもしれないけれど。
でもそれは、きっと羽の形となり。
海の中を溺れかけ、沈みかけた貴方の心を包み込み、ふわり、ふわりと。
優しく浮かび上がらせてくれる。
人魚姫の涙にも似た、一雫の海と。
それを包み込んだ、美しい海の泡。
ふわり、ふわりと空を目指して。
やがて海面へと到達して弾けてゆく。
貴方の胸元で、光り輝くのは。
見えなくとも。
掴めなくとも。
無くなる事のない。
希望を抱いて、
空へと羽ばたく。
小さな、小さな。
海の泡
そんなイメージの作品なのかなーと思います。
販売価格 | 7,000円(内税) |
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