青い翼の髪留め
14mmの大粒のエンジェライトを中央に。
青い濃淡のあるグラデーションが羽のように、なだらかに光を帯びて広がってゆく。
アクアマリンの水色。
ブルーアパタイトや、ネオンブルーアパタイト、アクアオーラの濃ゆい青色で、翼の立体感が出るように頑張ってみました。
そこに、ちょっとレトロな雰囲気漂うガンメタワイヤーを使用しましたので。
まるで樹の洞の中から、溢れ出してくる青い光のように見えるなぁと思ったんですよ。
最初こそ、これは天使の青い羽のようなイメージで作ってましたし、エンジェライトも使用してますので。
天使的な、そういう側面の翼なのだと思ってたんですが。
だいぶあとになってから、もしかしたらこれは幸せの青い鳥も、モチーフなのかも!と気がつきました。
その瞬間、てっきり、天使の羽だとばかり思っていた翼や、青い光の帯のように彩った石たちは。
ふわふわした柔らかな青い羽を生やした、小さな鳥のようにも見えてきて。笑
森の奥深く、樹の洞から頭を覗かせる、可愛らしい小さな青い小鳥の姿が、ふっと浮かんできました。
実は、この製作日記を書く数日前に、ネットカフェで某漫画を読んだんですけども。
これが、沢山の昔話をモチーフにした漫画なんですが、その中で青い鳥のチルチル、ミチルも重要なキャラクターとして登場しますので、なおさら、そう見えてしまいまして。笑
さらに、原作の方での、有名なメーテルリンクの幸せの青い鳥。
これも子供の頃に読んだくらいで、うろ覚えだったので、改めて検索してみました所。
今、読んでみると、あらすじだけでもとても不思議な物語で。
特にラストシーンだけははっきり覚えてる!という方も多いんじゃないかなと思うんですが、とても印象的なラストなんですよね。
幸せの青い鳥を探して、大冒険して、結局、旅してる時には見つける事ができなかったのに。
最後の最後、それも自分の家の中で、ずっと探していた本物の幸せの青い鳥を見つける。
それなら、冒険なんてしなくても、青い鳥は最初からそこに居たんじゃないか!
物語の最後を読んで、子供の頃はそんな風に思ってたんですけども。www
今思えば、その大冒険をしたからこそ、幸せの青い鳥がここに居るって事を、見つけられたんだろうなぁと思うんですよ。
当たり前になってしまった日常の中では、もしかしたら、大冒険するくらいに違う価値観や世界に触れてみなければ。
当たり前の幸せさえも、なんなのか、わからなかったり、気づけないのかもしれない。
今の生活は、違う場所では考えられないほどに豊かで幸せなものだったとしても。
でも、それを知識として知った所で、今の生活はただの日常で、当たり前の生活という実感しか湧かないように。
ただの情報で、例えば、外国では貧しい人が居るからここは幸せだとか、そんな価値観でただ比べられたとしても。 自分の中で、そこに幸せは感じられないと思うんですよ。
それは例えば、チルチルとミチルが、最初から青い鳥は家に居るんだよと聞かされていたとしても。
やっぱり、外の世界や大冒険をしなければ、自分の家の中に居る筈の、青い鳥は見つけられないんだろうなぁーと思うんですよね。
幸せは、いつもここに在る。
とそんな知識を知ってるだけでは、たぶん足りなくて。
何かの情報で比べることではなく、自分自身で、幸せの青い鳥を探して。探して。
幸せって、一体何なのかを見つけること。
見つけ出そうとすることや、実感すること。
それが、本当に大切なコトなのかもしれないなーと思いました。
この髪留めも、そういう風に、何かを探すというプロセスを経た後に、自分の中の本当の幸せを見つける事がテーマなのかなと思いまして。
特に、髪留めって頭の後ろに着けるものですので。
身につけてしまったら、自分の目では直接、見えなくなるじゃないですか。
なので、もしかしたら。
ただ、目の前や、正面を探しているだけでは、幸せの青い鳥は永遠に見つけるコトはできないのかもしれない。
頭の後ろという、自分の目の前では見えない場所に。
いつも、自分から片時も離れる事も無く。
探している青い鳥が、ここに居る。
そして、自分では見るコトができなくても。
その後ろ姿は、自分以外の人には見える訳ですから。
自分だけでなく、自分の周りにいる人たちの、幸せの青い鳥を。
髪飾りにするように。
メーテルリンクの青い鳥で調べてみたら、最後、この言葉がありました。
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
こうしてチルチルとミチルは、幸福とは気がつかないだけでごく身の回りに潜んでいるもの。
しかも自分のためだけでなく、他人のために求めるとき、それははかりしれなく大きくなることを知ったのです。
*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*―――――*★*
自分の為だけでなく、他人の為に求める時。
だけど、意外とそういう事って難しくて。
妬み嫉みの感情とか、他人が幸せになると自分が下がった気持ちになってしまう事もあるかなと思いますし。
自然に他人の幸せと自分の幸せを同じくらいに願うのは、実は結構、難易度が高いものなのかもしれない。
でも、たぶん、本当は。
自分が幸せを望む時に。
同じくらいに、周りが幸せである事を望んでいるんじゃないかなと思いますし。
本当は、そう在りたいと思ってるんじゃないかなーと思うんですよ。
そして、この作品は、
ついに幸せを掴み、青い鳥をゲットした!ていうテーマではなくて。
青い鳥も、その青い光も、徐々に、表れてきてる感じだなーと思いましたので。
自分にとっての、幸せの青い鳥が何なのか。
どこに居るのかを、気がつき始めている瞬間を表してるのかなーと思いました。
私の作品は、効果をもたらすものではないので、これを身につけたら幸せになります。みたいなものでは無いんですけども。
青い光を帯びた、美しい翼を髪留めに。
翼を広げて、青い空の世界を羽ばたきながら。
ずっと、あの空の中で、
探し続けていたもの。
どれだけ長い時間をかけても。
見つけられなかった、青い鳥。
ヘトヘトになるまで探し疲れ、やがて大きな樹の根元で翼を休めても。
視線は、空を見つめたまま。
だけど。
あれ?
ふと。
気づけば、いつの間にか私の頭の上に鳥がとまって。
いつからか、美しい声で歌いはじめている。
私は、ここにいるよ。
そう、まるで囁くように。
見えなくても、ここに在るのだと。
そう、ずっと歌っていたのに。
Blue Wings
-青い翼の髪留め-
そうだよ。
君が気がつかなくても。
見つけられなくても。
青い鳥はいつも、いつも。
君の側で、歌っていたのさ。
そんなイメージの作品なのかなーと思います。
販売価格 | 10,500円(内税) |
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