※こちらの作品は、純銀線(silver1000)を使用しております。
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Cross of Michael
純銀線を使用しての、クロスデザイン。
アーティスティックワイヤーと違って、少し太めで柔らかかさがありますので、クロスにするのは少し難しかったんですが。
中央に、シトリンの穴あきブリリアントカットを取り付けてみると。
それは、みるみると短剣のような形のクロスになっていきました。
十字を切るように配置した、爽やかな水色のブルーアパタイトと、シトリンの黄色の組み合わせ。
それはシンプルだけど、ミカエルカラーのように思えて。
全体的な雰囲気も、白魔術や、白魔法を扱うような感じがしたんですね。
ここまでは、ファンタジー世界にありがちなアイテムのような感覚だったんですが。
白魔法には似合わない赤色が、ほんの一粒、組み込まれた途端。
その存在感が、一気に、現実まで引き戻してくるような感覚を感じました。
血が通うように。
生命がドクンと音を立てて、響かせるように。
何故かドキリとする。
剣の柄に一滴、血が垂らされたかのような、レッドアゲート。
そのイメージから浮かび上がるのは、白魔法ではなく、黒魔術的な要素。
まるで、等価交換を表すような。
対価を要求されたような。
血の契約。
全体的にキラキラとして美しい白魔法とは正反対の、黒魔術的な要素が、ほんの少しだけ、このレッドアゲートに見え隠れしているように思えました。
まるで、これは。例えるのなら。
封印と、契約。
白魔術や白魔法的な要素。
大天使ミカエルを思わせる美しい短剣。
そういう何かを、たった一滴の血が、封印して、ただの十字架のペンダントにしてしまっている。
この作品、十字架ではなく、白魔術の短剣と書いているのは。
本来の力を封印されていて、鞘から抜けない短剣のように見えていたからでした。
きっと本来は、対価も何も必要なく、その短剣を使用するだけで癒しの白魔法が発動し。
自然と天使の助力とコンタクトを得られるような。
そういうものだったのだけど。
自ら、たった一雫の血と契約で、その力を封印してしまった。
そんな物語のイメージが思い浮かびました。
ディズニーやファンタジー映画にありそうなシチュエーションだなーと思いまして。
自分自身の、最も得意な才能を、
意地悪な人に騙されたり、そそのかされたりして。
自分自身で封印してしまってアタフタする物語。
その後悔は、計り知れず。
失った力は、人生を揺るがすくらいにとても大きく。
大切な白魔法と、天使とのコンタクト。
まるで、生きる術を全て失ってしまったように途方に暮れながらも。
やがて。
解除する方法を求め。
封印された短剣を手に旅に出かける事を決意する。
この短剣とは、なんらかの比喩や象徴なんだろうと思ってまして。
例えば、自分の才能や能力、生きる上での武器になるような力や、自信を意味するのかなと思いました。
ですので。
一見、その力を封印する出来事ってのは。
自分の能力をあまりに軽んじて起こしてしまった、自業自得のようなものにも思えますし。
大切な力を、簡単に封印してしまうなんて!と憤りを感じたり。
または、それを促したり、騙したり、そそのかしたりする人が悪者として感じられるかもしれません。
だけども。もっともっと、もの凄く大きな視点で見ると。
自分自身の最も得意で、才能のある部分を、一度失ってみる事で、その大切さ、大きさを感じてみたい。
そして、何か他の新しい力を得たい。
という意味合いがあるのかもしれないなぁと思いました。
完全に力を捨て去るのではなく。
一時的に手放してみるようなもの。
解除の方法を求め、旅立ち。
様々な人と交流し、得られた経験と新しい力は。
白魔法の力を持ったままでは、
得られなかったものかもしれない。
天使とのコンタクトを失っても。
変わらずに、その助力が在る事を確信したり。
短剣の力を持っていた時には、全く気がつけなかった事に気がついてゆく。
そこで出会った大切な人。
協力してくれる、たくさんの人。
その時に、初めて。
気がつくのかもしれない。
自分は今迄、
どれほど孤独だったのか、と。
たった一人でその力を使っていた時には、周りの人の協力なんて、必要なくて。
むしろ、献身的に自分が周りに協力することだけが喜びで、誰かの力を借りるなんて、思いもしなかった。
そんなイメージがふと、浮かんだんですよね。
自力と他力という言葉がありますけども。どうもこれは、他力を信じる事に繋がるものなのかなぁと思いました。
力を封印され、最も得意なものを奪われ。
それでも勇気をもって進んだ先にあるもの。
自分にはもう何もない。
だけどそこから、
初めて見つけられる新しい力が在る。
なんとなくですが。
その力や才能がある時は、それが強すぎる故に、他人が入る余地が無かったんじゃないかなーと思うんですね。
でも、一度封印する形で失う事で、その余地ができて。
受け入れる事ができるようになって。
自分の力と、周りの力と。
どちらも、大切にできるようになってゆく。
その瞬間に、ふとしたキッカケで。
封印は解除されるんじゃないかなーと思いました。
随分と
長い旅路だったのかもしれないね。
今迄の自分とは違う何かに触れるたび。
自らの力も。
誰かを信じる気持ちも。
より大きくなってゆく。
血の一滴。
自らかけた、その封印はあまりに強力だった。
だからこそ、その封印を解けるのは。
解除できるのは。
他の誰かではなく、自分自身なのだと。
長い旅路の果てに。
薄々、わかっていた事だったのかもしれない。
だけども。
封印した直後に、どんなに一人でがんばったとしても。いくら、もがいていたとしても。
一人のままだったのなら。
その生き方や在り方が変わらなかったとしたら。
封印は、解く事ができなかったんじゃないのかなーと思うんですね。
例え、直接、自分の封印を解除してくれる人は誰も居なかったとしても。
長い旅路を通しての。
その出会いや。
その、気持ちや。
その心が、在ってこそ。
道は、開かれるものだから。
ですから、解除される瞬間というのは。
どれほど長い間待ち望んでいたとしても。
あまりに、
呆気ないものなのかもしれません。
封印が解け
短剣に残る一滴の血は。
忌まわしいものではなく。
君の誇り。
一度自らの力を無くした証。
そして新しい力を、得た証。
長い、長い旅路の果てに得たもの。
それは、君の。
勇気の証さ。
ミカエルのささやき。
胸に光る十字架が。
白魔法の短剣に戻る瞬間。
さあ。
自らの力を、取り戻す時だよ。
Cross of Michael
白魔術の短剣
そんなイメージの作品なのかなーと思います。
販売価格 | 11,500円(内税) |
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